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24.コンデンサによる力率改善、使用目的
力率を改善するコンデンサは進相コンデンサです。
電動機などの力率改善に用いられます。電動機は比較的力率が悪いので、進相コンデンサなどで改善する必要がある場合があります。他にも数種類のコンデンサがあり、それぞれ目的が違います。
右はコイルを組み込んだ回路の波形です。ズレがあるというのは力率が下がっていると言うことなので、それを改善するためにコンデンサを組み込みます。
コイルは電流の位相を遅らせるのですが、
コンデンサは位相を早くします。そうするとズレが改善されます。
まぁ、とりあえず問題から考えてみましょう。
図に示す蛍光灯回路のコンデンサの主な目的は。
イ．効率をよくする。
ロ．点灯を早くする。
ハ．明るさを増す。
ニ．雑音（電波障害）を防止する。
蛍光灯のスイッチを入れるとスイッチングノイズがでます。これは安定器とグロー管の間で急激な電流変化が起こり、この電気の中に高周波電流が混じります。これは電路を伝って家の中のラジオやパソコンスピーカーから雑音を発生させます。コンデンサの特性に高周波の電流が流れ込みやすいというのがありまして、電路に流れ込む前にコンデンサでワンクッションして雑音を防止しようと言うのがねらいです。高周波電流はそのあとも蛍光灯の中のアーク放電でも起こります。蛍光灯の光はアーク放電によって紫外線を発生させて蛍光物質に反射させて光らせています。
また、蛍光灯のアーク放電では電磁波も発生させますので、ノイズは完全には防止できません。
答えはニです。
図のような交流回路で、負荷に対してコンデンサＣを設置して、力率を100〔％〕に改善した。
このときの電流計の指示値は。
イ．零になる。
ロ．コンデンサ設置前と比べて増加する。
ハ．コンデンサ設置前と比べて減少する。
ニ．コンデンサ設置前と比べて変化しない。
改善前は、100Vで負荷1000W、力率80%だったとすると、P=100×10×0.8＝800W
負荷は1000Wなので、作動するには電流を多く使用します。1000=100×A×0.8 A=12.5A
これが100%に改善されたと言うことは、1000=100×A×１ A=10Aとなり電流は減ります。
答えはハです。
誘導電動機回路の力率を改善するために使用する低圧進相コンデンサの取り付け場所で、
最も適切な方法は。
イ．主開閉器の電源側に各台数分をまとめて電動機と並列に接続する。
ロ．手元開閉器の負荷側に電動機と並列に接続する。
ハ．手元開閉器の負荷側に電動機と直列に接続する。
ニ．手元開閉器の電源側に電動機と並列に接続する。
力率を改善するためには、コイルと並列に接続しなければなりません。電動機は構造上一つのコイルなので、電動機とは並列に接続します。
したがって、イ、ロ、ニが残る。あとは開閉器に対して電源側か負荷側かと言うことですが、電動機を使用していないときにコンデンサに電流が流れると、逆に回路の力率が悪くなるので開閉器で回路と切り離せるようにしておくのです。
答えはロです。
つまり、開閉器と電動機の間に接続すると言うことです。
ところで、選択肢のイは正解ではありませんが、開閉器と電動機の間に接続すれば数台分をまとめて力率改善することは出来ます。
低圧三相誘導電動機に対して電力用コンデンサを並列に接続する目的は。
イ. 電動機の振動を防ぐ。
ロ．回路の力率を改善する。
ハ．回転速度の変動を防ぐ。
ニ．電源の周波数の変動を防ぐ。
振動は軸受けの摩耗か、軸の偏心です。電動機を修理するか交換しましょう。
回転速度の変動は周波数の変動、電圧変化、負荷の変化等様々な原因があります。
答えはロです。
このページは練習問題はありません。
皆さんコンデンサーが嫌い？
多くの生徒さんが、力率改善の問題などを苦手にしています。
参考書等でも大きく取り上げていませんからね。しかし、そういう項目であっても出題率がある程度高いのであればきちんと学習しなければなりませんし、そういったところが他の受験生と差をつけるポイントです。
それほど難しい内容ではありませんから、頭の隅にでも覚えておいてください。